【Vivid Strike!】#10 雨
10話は全体的に
「リンネの頑固な表面上の言葉を連ねるフェイズ」と
「フーカの徹底的な精神攻撃フェイズ」が続きます
■言葉を重ねあって殴り合う運命
フーカはたった一度(二度)敗北しただけで全部投げ出して辞めるって言い出しコーチ達に散々迷惑かけた
にも関わらずアインハルトにベルトチラつかされただけでホイホイ戻ってくるリンネの根性が気に入らない
対してリンネは人の個人的な事に入り込んでくるフーカが気に入らない
確かにフーカはリンネの事に色々干渉したがる気もします
でもそれは同じ院で育った幼馴染だった故の干渉なのでフーカには一歩も引く気はない
お互いに譲る気はない問答なので拳で語り合うしかないまさにスポ根アニメのお約束という展開になっています
(もっとも、フーカがリンネに過剰なまでに干渉する本当の理由はこの話の最後で明らかになりますが)
■フーカ「さぁ!お前の罪を数えろ!」
リンネはあのイジメからの祖父を失った一件を自分の罪だと認識している
そしてそれは自分を家族だと言ってくれた両親の信頼を裏切った事に繋がっているとも思っている
なんとも厄介で頑固な思考です
自分の犯した罪は許されないし許しちゃいけないというのは見方を変えれば真面目・誠実に思えるかもしれません
でもリンネの場合はそういうのではなく「格闘技で頂点を極める事が贖罪になる」という思考になってます
だからこそ敗北したら目的が分からなくなって自棄にもなる
■「お前は違うじゃろうがぁ!!!」
と、蹴り飛ばしたリンネが柱にぶつかり建物内に吹っ飛んでいく様が格闘技アニメとは別の次元になってる…
これルールーとファビアが作ったプロ仕様の防護フィールドらしいけど痛みは普通に食らうとの事で
やっぱルール的にリンネ有利に見えても地の利的にフーカ圧倒的有利なんだな
フーカ「地の利を得たぞ!!!」
■「じゃあどうしたら良かったの?嫌な事や辛い事は忘れちゃえば良かった?」
「自分のせいで起きた悲しい事、今もどうしても許せない出来事
自分が犯した罪や失敗、そういう事を全部忘れて無かった事にして生きていけば良かったの!?」
これには現場にいるノーヴェの心にもグサリと刺さる一言でした
この場にアツェレイがいたらもっとダメージデカかったでしょう
でもノーヴェもアツェレイもこの事は乗り越えたから今がある
自分が犯した罪は無かった事にはできないから一生背負って生きていく
その上で今の自分の人生をしっかり地に足付けて生きていく
リンネにはそういう気持ちの切り替えが出来ずに苦しみ悩んでいるから辛いので…
■フーカ・レヴェントン!スイッチオン!
ジルはフーカの事を高く評価している
覇王流という古流武術も付け焼刃ではなくしっかりと身に着けてるから普通なら相手するのは厳しい相手
でもリンネが相手となれば敵ではないと結論付けた
ナカジマジム側のその答えが古流武術のみならず近代武術によるハイブリットスタイル
ヴィヴィオやコロナのストライクアーツ
リオの春光拳
ミウラの足技
それらのランダムな組み合わせによる攻撃がフーカの攻撃パターンを読めなくしている
一見有効な手段に見えるけどこれはフーカだからこそ成しえた賭け
何せ最初から格闘技経験者だったりすると身に染み付いた流派の動きを急に変えるのは難しい
格闘家として素人でゼロからのスタートだったフーカならバランスよく覚える事が出来たとも言える
更に言うとフーカの集中力と教わった事を身に付ける吸収力が他とは違って高かったというのもある
フーカは相手に食らった攻撃をしっかり覚えていてそれと同じ攻撃が出せる
言い換えれば真似、でもそのコピーは正確で力加減やタイミングはかなり再現される代物
リンネはヴィヴィオやミウラとも同時に戦っているようなものですねこれは
しかし正拳一発でビルの三階相当の高さに吹っ飛ぶ威力はヤバいな
■「フーにゃんの拳はとびっきり固いからなー」
いつの間にかフーにゃんと呼ぶようになってるジーク
ほんといつの間にそこまで仲良くなったんだ…いや、ジークなら仲良かろうが初対面だろうが愛称で呼びそうな性格してた
骨格レベルで恵まれている身体から放つ一撃は相手を的確に破壊する
アインハルト曰く誰でも持てるものではなく親から贈られたギフト
そんな固い拳に覇王流の武術と魔力運用が加わったらただのパンチが文字通りの「一撃必殺」に昇華する
極端な話当たった所が急所になる「神撃」
格闘技歴4ヵ月で既にその域に達しているとU19ワールドチャンピオンがここまで評価する程の逸材でした
あれ?才能溢れるリンネよりこれ才能溢れてね?
■「公式戦でもないこんな所で怪我を負う事はありません!選手生命に関わるかもしれないんですよ!?」
とトレーナーの1人が焦ってますがリンネもミウラやヴィヴィオらに同じ事したんですけどね
描写がなかったけどきっと今まで戦った相手選手も含まれるでしょう
試合中に相手の骨を折る一撃を容赦なく加えてて自分側がそうなろうとしてたら慌てて止めるというのはどうなんだ?
自分がやるのは一向に構わないが自分がされるのはダメっていうのは大人がよくやる卑怯な理屈ですよね
見た所リンネがこの試合で負ったダメージはミウラと同等かそれより軽いでしょうし
■唐突に挿し込まれる回想
あ、これあかんやつや(突然回想シーンが入ると色々フラグ)
昔の回想ではフーカは一切笑わない子だった
逆にリンネは常に笑顔な子だった
フーカは自分(とリンネ)は不幸な孤児でこれから先幸せになる事はないと人生を諦めてる
対するリンネは毎日食べられる食事が(例え裕福や豪華でなくとも)幸せだと楽しそうに生きている
2人の馴れ初めは本当に真逆な性格をしていたんですね
フーカに笑顔を与え初めて「人間」にしたのはリンネ
それが今では逆になったのはなんという皮肉めいた運命でしょう
■NEXT#11「撃ち抜く一撃<ストライク>」
次回のサブタイトルがOPの歌詞の一節なのはいいですね
そして残す所あと2話でどういった決着がつくのか
10話の時点でフーカはリンネに対し対等以上に戦えているのが驚かされました
いえ、今までのウインターカップでの試合では殆ど試合内容省略されてたので強さが分かりづからったのもありますが
お互いダメージも蓄積されてどっちが勝ってもおかしくない状況
まだリンネは本当の気持ちを胸にしまい込んでいるみたいですし本音で語り合える日は果たして来るのか