泣き声

うちの仕事場、結構……いやかなりの確立で「親子連れ」がやって来る。
別にそれだけなら構わない、親子揃ってお出かけの場所にうちの仕事場なのは嬉しい所、むしろバッチコイ。
けど子供(特にまだ幼稚園児ぐらいの)が泣き叫ぶ声は親御さんがどうにかしてほしい。
今日も幼児が出入り口の前で泣き叫んでいた。

かなり昔になるが自分は某大手玩具屋でバイトをしていた経験がある。
玩具屋故に子供がかーなーりー沢山来る、殆どが小学生以下。
中には赤ん坊を抱いた母親が来るくらい。
そこで働いていた時に何度も耳にしたのが「子供の泣き声」
自分はその声をほぼ毎日聞いていたおかげで子供の泣き声にはおおまかに分けて三種類ある事が分かったのである。
(あくまでも素人の見解なので真実ではありません、一応……)


一つ目、「親と迷子になり泣く」
これは一番多い、実際その玩具屋は相当規模が広かった為子供が興味を惹かれる玩具を見つけるとすぐにいなくなってしまうのが当たり前なのだ。
そして子供は気付く、親とはぐれてしまったと。
まだ小さい子供の頭では冷静な判断なんて出来るはずもなく不安、恐怖、それらの感情が爆発し一気に泣き出してしまう。
特徴はとにかく声を大きく、息を大きく吐き出す感じ。
更に嗚咽が混じる、これは悲しいという感情で泣く時に見られるもの。


二つ目、「転んで(何かにぶつかって)痛くて泣く」
子供は親が止めても走り出してしまうもの、特に目の前に玩具が大量に並ぶ玩具屋では。
そこで転ぶ、痛みによって泣くのがこれ。
特徴は迷子の時以上に声を張り上げる事。
人間の身体のメカニズムでは怪我をした場合声を出して叫ぶ事で脳が「痛覚」よりも「叫ぶ」という行為に集中する。
従って大声で泣き叫んでいる間は不思議と痛みが和らぐのだ(あくまでそう感じるだけだが)。


三つ目、「自分の思い通りにならなくて癇癪で泣く」
これも多い、っていうか全部多いな。
玩具屋で当たり前の様に発生するのが玩具をねだる行為。
だがそんな要求を簡単に叶えてあげる程親も馬鹿ではない、当然却下。
するとどうだろう?子供は泣き叫ぶ事で要求を通そうとするのだ。
実はこの泣き声が一番やばくてうざい。
何故ならこの泣き声は迷子の時や転んだ時以上に声を張り上げ、盛大に泣き声を上げる。
既にそこまで行くと超音波の一歩手前クラスにまで到達しているという音波災害っぷり。
正直な話、子供の癇癪の泣き声を近くで聞くと頭が痛くなり不快感を感じる。
それ程の声、だから親は要求を叶えるのとは別の手段で子供を泣き止ませる必要があるのだ。
意固地になって子供を無視し続けると子供は余計声を張り上げて泣く。
負のスパイラル。


話を戻そう、今日仕事場で泣いた幼児はまさにこの三つ目の癇癪だった。
自分はレジ担当なので詳細は分からないがおそらくは何かが欲しい、何かをしたいと要求したのだろう。
それを親が却下した事で泣き叫んだ……。
これに一番被害を被ったのがその近くのレジにいた自分達。
その声、仕事場の全フロアにまで響く程の声量……幼児なのに恐ろしい。
先に述べた超音波一歩手前レベルの甲高い声に……。

はっきり言おう、親が泣き止ませてくれ。
でないと頭が痛くなる、いや、実際になった。
最終的に親が未だに泣き続ける子供を無理やり抱え上げて店の中へと入っていったのだが……。
これも教育なのだろうが周りの迷惑を考えて欲しい、今日は強くそう思う。
躾ける為に手を上げるのはあまり賛成は出来ない。
だから親はもっと別の方法で子供をしっかりと躾けて欲しいのだ。
泣き続けさせて子供に根負けさせるんだったら休みの日の学校に連れて行って校庭のど真ん中に放置しておけばいい。

正直な話最後の方はマジで吐き気を催した……。

一応述べておくと自分は子供は嫌いではない、むしろ好きな方だ。
だが癇癪で泣き叫ぶ子供は例外、大嫌いなのを付け加えておく。