キカイダーReboot

見に行ってきました
感想を少々…ネタバレズバズバ入ってるので嫌な方は見ない事をオススメします



【まず作品そのものを見た大雑把な感想】
うーん…微妙、と言わざるを得ませんでした(あくまで個人の感想ですので悪しからず)
まず原作や旧キカイダー(当時の特撮の方)やアニメを見ていると分かりますが
それらは主人公であるジローが「人間になりたい」という願望があり「でも自分は機械だからなれない」
という葛藤や苦悩が作品全体を通して描かれてました


しかし映画を見ると特にジローがそういった苦悩をする場面はありません
一貫して「光明寺博士の指令を受けてミツコとマサルを守る」という任務を遂行しているだけです
一応その任務自体が終了した時に若干悩んだ描写はありましたが…
まぁあくまでリメイクなのであって過去の作品をそのまま現代の技術で作った訳じゃないですからね


ただこの映画いったい誰が主人公なんだと思いました


人造人間キカイダー=ジロー】
この映画は先週の仮面ライダー鎧武コラボSPを見ているとより楽しめます(鎧武の後日談的な話なので)
ただどうして鎧武の冒頭で動きが止まってたのかが分かりません
エネルギー切れなのか(映画ではエネルギー補給やエネルギー切れに関する描写は一切なし)
それとも雷に打たれて機能停止してしまったのか(その後雷に打たれて再起動した?)
映画の中ではジローは「行方不明」と言われおり実際は光明寺博士が子供2人を守れと命令して逃がしたのですが


そして初登場時は高層マンションの屋上(どうやってそこに昇ってきたんだ?)
いきなりキレッキレのアクションして変身してもめっちゃ動きまくる
その上グレイサイキングとのバトルもCGてんこ盛りで凄い派手でした


キカイダーではライダーキックばりに多様されていた電磁エンド
この映画では最強の必殺技となっているらしく自分自身への反動も凄まじく正に諸刃の剣なので最終決戦のラストにしか使いません
その実体は左腕を超高圧電流でスパークさせて触れた相手を蒸発させるという恐ろしい技に…
でも両腕をクロスしない電磁エンドは電磁エンドと言えるのかどうか


ちなみに趣味は「ドリフ」らしいです


「志村ー!後ろー!」
「だっふんだ!」


は唐突過ぎて吹いたのは内緒


でも常時無表情で演技するからちょっと怖いです
考えて見れば機械だから痛みも感じないんですよねジロー
そう考えると鎧武の時に記憶失ってた頃の方がよっぽど表情豊かだったなぁ…(映画であんなにコロコロ表情変わらない)


そんなジローも終盤で与えられた任務以外にやりたい事を見つけそれを実行する
一応物語全体を見るとジローの心の成長も描かれていますね
ただちょっと疑問に感じたのは胸のハッチを開けてスイッチ一つで良心回路のON/OFFが出来る点
え?そんなお手軽なの?と思いました


あと驚いたのは劇中で「キカイダー」という名称が一度も出てきませんでした
出てきたのは鎧武のSPで凌馬の発言とかですね
ジロー本人やミツコは「機械だ…」「機械だ…」と連呼してましたが


光明寺博士
演じているのは長島一茂さん
天才科学者でアンドロイド開発の第一人者
しかし自分が作ったジローや自分の技術が軍事利用されている事を知って殺されてしまいました


ここはオリジナルと結構変えてきた展開ですね
旧版だと博士はバリバリ元気で生きてるのに(記憶喪失になってフラフラしてたけど)
「実は殺されたフリをして密かに身を隠していた」
という展開を予測していた俺は間違いなくキルラキルの影響


ただ研究第一で2人の子供にあまり接する時間が作れなかった様子
そりゃミツコも「あの人」呼ばわりだよ
マサルも無口になっちゃうよ
小さい頃のミツコの誕生日に手作りのロボットをプレゼントしてた描写があったし
何よりジローに2人の子供を守る様に命じたから疎遠になった訳じゃないのね


光明寺ミツコ】
第一印象は「常にしかめっ面で怒ってばっかりの人」としか思えませんでした
笑顔を見せたシーンなんてワンカットくらいしかなかったし
弟のマサルに対しても「ゲームばかりしてないでちゃんと勉強しなよ?」的な保護者セリフしか言ってない…
考えてみたら両親が死んで(母親は一切描写ないので多分他界してるものかと)
自分1人で弟を育ててきた上に大学に通っているとなるとそりゃ精神的に疲れるだろうなぁ…
そんなミツコも弟を全寮制の学校に通わせ自分は海外留学に行く予定という
しかも明確な目的意識がある訳じゃなく「留学すれば自分がやりたい事がみつかるだろうから」という理由です
おい、そんな理由で唯一の肉親である幼い弟1人日本に残していくなよ


光明寺マサル
初登場時は暗く無口な少年
でも両親が死んで肉親は姉1人だけ、その姉も小言ばかり言うのではむしろよくグレなかったなと思います
多分姉が海外留学したら本格的にグレてたね…
そんなマサルもジローが来てから凄く明るくなるという変わりぶり
お姉ちゃん、やっぱりマサルに必要なのは小言じゃなくて笑顔だよ、笑顔


しかし実は光明寺博士マサルの体内に自身の研究データが詰まったSDカードを埋め込んでいたという衝撃の事実
ダークに狙われたのもこれが理由でした
どう見てもマイクロSDですよ博士?それ何GBの容量なんです?
更に衝撃だったのは中から出てきたSDカードは何の保護もされずただ無造作に肉体に埋め込められていた事
それデータ生きてるの?とか何でマサルの身体は今まで何の異常も起きなかったの?
とかツッコミが追いつきません


【ギルバート・神埼=プロフェッサー・ギル
その正体はまさかのサジタリウス・ゾディアーツ、理事長何やってんすか?


一応立場上は光明寺博士の部下で補佐的なポジション
でも内心天才な光明寺博士に凄い嫉妬心を抱いているお方
その勢いで博士を暗殺しちゃうんだから筋金入り


ちなみに鎧武のプロフェッサー凌馬とは交友関係があるらしい
科学者としての繋がりがあるのは予想出来るけどこの2人が絡む光景が思い浮かばない…


ハカイダー
頭に入っている脳は実はプロフェッサー・ギルのでした
この時点でギル・ハカイダーなんだよなこれ、光明寺博士死んじゃってるし


この人造人間ハカイダー
登場したのは中盤より前くらいなのに実際にパイルダーオンしたのはもっと後です
戦極凌馬は速攻自分の脳入れたのに踏ん切り付くまで時間かかったなぁギル
時系列的に見ればこの映画の時点で凌馬から返却されてたはず
凌馬にテストを依頼して、そのテスト結果を聞いて躊躇してたのかな?


でも凌馬が驚愕する程の破壊衝動はしっかりギルにも影響だしていたのでハカイハカイハカイダー
何せダーク組織までほぼ半壊させるくらい破壊しちゃってる


「スポンサーが自分の研究より光明寺の研究を優先するなら俺の研究の方が優れてる事を自分で証明してやる」
 ↓
ハカイダーにパイルダーオン
 ↓
「世界がひれ伏すまで破壊しつくしてやるよ」


は、どう考えても極論な上に手がつけられない
なまじキカイダーより強いのだから始末におえないよこのおっさん


あとハカイダーショットの弱体化が酷い
旧では直撃しただけであらゆる機械を一撃で破壊するのにキカイダーに何発直撃させても生きてるし…


最後はジローの電磁エンドで死亡…
のはずがしっかり脳だけはダークに回収されてました
これ続編作る気がぷんぷんするよ…(わざわざED直前に液体が入ったカプセルに入れられてるシーンを流すくらいだし)


【その他気になった点】
その①
ハカイダーが街を破壊しまくってる描写がありますが(地名では茨城あたり?だった気がします)
これだけ暴れてるとアーマードライダー達が気付きそうだなぁ…と無粋な事を思いました
一応コラボした以上はここは鎧武の世界=キカイダーの世界となっているはずなので
まぁそこは沢芽シティ、住人もアーマードライダー達も誰1人として眼中になかったと結論付けておこう
もしくは戦極凌馬が沢芽市の住民に見せるには不適切と判断してニュースの情報を遮断していたか(こっちの方がありえそう)


その②
しかしそれ以上に街一つ瓦礫と化す暴れっぷりなのに日本の人達はまるで無関心でした
ニュースになってる以上日本全国でその事実を沢山の人が知っているはず
これで他の街の人達がパニックになったり阿鼻叫喚の地獄絵図にならないのはどうかと思いました
ハカイダーこのままだと日本どころか世界中破壊しそうだし)


ただ、映画の冒頭でミツコが言ってましたが
「みんな注目しているのは自分の事とスマホの中にある事実だけ(うろ覚えなので一部記憶違いがあるかも…)」
と発言しています、つまりあれだけハカイダーが暴れていても「自分達の近くじゃないからひたすら無関心」
なのかもしれなせん、こういう場合目の前でハカイダーが破壊の限りを尽くしてようやく事の重大さを実感するものですけどね
ある意味で人間(日本人)のリアルな描写ではないかと思いました


その③
プロフェッサー・ギルが奏でる音色は不完全な良心回路を狂わせ暴走させる」
という設定がこの劇場版でも活かされましたが音色ではなく電磁パルスでした
故にあの独特なメロディーが一切出ずにジローが暴走します
何でや?あの悪っぽいメロディーこそ大事だろ?


その④
ジローの電磁エンドを受けたハカイダーの脳が何故無傷で回収されたのか
ちなみに発動したジローの左腕は焼け焦げたり溶けたりしてた事を見ると相当の熱量があったはず
ハカイダーのあの剥き出しのガラスケースは電磁エンドの熱量にも耐えるのか?
思えば明らかに弱点丸出しなのにジローは一度も頭を攻撃しなかったな
最初は「人間を傷つけられない」と言って攻撃をやめてましたが
最終決戦では「お前は僕と同じ機械だ」と吹っ切れてたので頭への攻撃も可能だったはずなのに


【まとめ】
と、かなり急ぎ足で感想を箇条書きにしてみましたがこんな所でしょうか
結論としては急いで劇場で見なくてもいいんじゃないか?という感じです
今後DVDやBDがレンタルされたのを見るのでも十分かと…


全体で110分の作品でしたがちょっと長い感じがしましたね
これでもまとめきれなかったっぽいですし(女アンドロイド健在な上、続編へのフラグを示唆してた)
ただ続編作るにしてもジローは死んだ以上オリジナルとは変えてくる必要もあります


劇場にはやはり大人の人が多くいましたが子供連れのお父さんも結構いたのが意外だったというか…
特撮ヒーローですし鎧武にも登場したのでお子さんも興味を持ったのでしょうか?
そういう意味では鎧武とコラボしたのは良い事だと思います
ちなみに鎧武のスタッフはトッキュウジャーとのコラボや今回のキカイダーとのコラボ
まったく予定に入ってなかったらしく急遽本編に割り込む形で話を入れられたそうです
確かに鎧武とのコラボSPは冒頭のナレーションで「時は2週間前に遡る…」とかやっちゃったしなぁ
鎧武本編に絡めない様あくまで外伝的な話に持っていこうとしたのでしょう


そんなんで最終話までの話数大丈夫なのか…